災害医療シンポジウム開催のお知らせ
阪神・淡路大震災から20年が経ちました。兵庫医科大学もその被災地区の基幹病院として多くの経験(苦い経験も含めて)をしましたし、また、私個人としては、この震災を神戸大学病院で被災者と医療者の両方の立場で経験しました。私を含む救命救急センタースタッフおよび本学スタッフは一丸となって、それぞれ個別の経験や知識を活かしながら災害医療システムを確立してきました。その実証はJR脱線事故で113名の傷病者を受け入れ、多くの命を救えたことで示されたと思いますが、しかしながら同時に救えなかった命もあり、詳細な事後の検証を行って、さらなる改革を進めているところです。
さて、このたび、我々は、学校法人兵庫医科大学として、「阪神・淡路大震災後20年 災害医療シンポジウム」を開催することといたしました。本シンポジウムでは、昨年、東京大学から当科に移籍されました中尾博之臨床准教授の指揮のもとに、多くの政府関係者をお呼びしております。会場となる兵庫医科大学平成記念会館は阪神武庫川駅に隣接し、阪神梅田駅や三宮駅から20分以内で到着できる交通至便な場所にあります。このシンポジウムを、今一度過去の災害医療を見なおし、将来の災害に備える良い機会とするために、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
以下に、企画隊長の中尾博之臨床准教授の言葉を記します。それでは、みなさん、会場でお会いしましょう!
小谷穣治
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阪神・淡路大震災後20年 災害医療シンポジウム開催
―大震災時の経験とその後の課題-
1995年に阪神・淡路大震災が起こり、本邦の災害医療が始まったといっても過言ではありません。その後もJR福知山線脱線事故、東日本大震災をはじめとする多くの災害にも遭遇してまいりました。しかし、災害は千差万別であり、常に想定外であることが起こることも考えておかなければならなりません。
本シンポジウムでは、中央官庁の多方面からご意見を賜れる貴重な機会となります。兵庫県の現状もご報告いただき、災害元年を経験した兵庫県が災害の教訓を生かせる機会としたいところでございます。
本講座は、災害医学を専門とする全国の数少ない研究機関であります。災害医療に限らず、災害医学としての発展、行政への提言などを通じてこの20年間で教訓が生かされてきた過程を検証することによって、今後起こり得る大災害対策の展望を考察します。
日時:平成27年2月21日(土) 12時から開場
場所:兵庫医科大学平成記念会館
〒663-8501 兵庫県西宮市小松南町2-6
阪神電鉄・武庫川駅下車、西出口より徒歩 3 分
主催:学校法人 兵庫医科大学、兵庫医科大学 救急・災害医学講座
共催:神戸大学医学部附属病院救急部、兵庫県医師会
後援:兵庫県、西宮市、産経新聞社、朝日新聞阪神支局、読売新聞阪神支局、
日本経済新聞社大阪本社神戸新聞社、毎日新聞阪神支局
対象:近畿一円の防災行政、研究・教育機関、医療機関、災害関係機関、その他
12:30 開会
12:50 第1部基調講演:
座長 兵庫医科大学救急・災害医学講座講師 久保山一敏
- 兵庫医科大学副理事長 太城力良
- 兵庫医科大学救急・災害医学講座 主任教授 小谷穣治
- 陸上自衛隊第3師団第36普通科連隊隊長1等陸佐 近藤力也
14:10 第2部シンポジウム:
「災害医療事例の教訓を想定外大災害へ応用させる方法」
座長 神戸大学災害・救急医学講座特命教授 西山隆
兵庫医科大学救急・災害医学講座 臨床准教授 中尾博之
- 内閣官房災害緊急事態対処室政策統括官付企画官 藤條聡
- 文科省医学教育課大学病院支援室室長 手島英雄
- 厚労省医政局地域医療計画課救急・周産期医療等対策室長 西嶋康浩
- 総務省消防庁救急企画室 救急専門官 寺谷俊康
- 東京大学総合防災情報研究センター センター長 田中 淳
- 神戸赤十字病院院長 小澤修一
- 兵庫県医師会会長 川島龍一
16:30 閉会
問い合わせ先:兵庫医科大学救急・災害医学講座 0798-45-6514
中尾 博之nakaonakaokobe@yahoo.co.jp
2015.01.14 朝日新聞掲載記事 (朝日新聞社の許諾を受けて掲載しています)
2015.01.05 神戸新聞掲載記事 (神戸新聞社の許諾を受けて掲載しています)
災害医療シンポジウム
学ぼうBOSAI
本日午前9時30分よりNHK Eテレの学ぼうBOSAIという番組にて当科の山田太平医局長の活動が取り上げられ放映されます。お時間ある方は是非ご覧ください
2015年 始動
冬ジャケ
冬になりますますドクターカー出動依頼が増えています
プレホス用の冬用ジャケットもようやくきました
夏ジャケと同様、mont-bellさんのジャケットですが
肌心地よく暖かいし、現地での活動がしやすそうです
全国の老若男女のドクター・ナースのみなさん
このかっこいいジャケット着て一緒にプレホスしませんか!
プレホスピタルケア
年末、寒冷になると重症患者さんや外傷患者さんが増えます
写真は先日のドクターカー出動時のもので、ドッキングポイントで現場からの傷病者搬送を待っているところです(1分くらいですが)
この日は1晩に3件の出動要請がありました
交通外傷 吐血(消化管出血によるショック) 呼吸停止・・・
外傷も内因性疾患もという慌ただしい夜でした
ドクターカー出動により病院到着前に心肺停止となるような傷病者が、救える事例が増えています
この日もそうでした
兵庫医科大学 救命救急センターは7市1町で人口180万人以上を診療圏とし、都市部での病院前診療を行っています。
今後もドクターカー出動要請が増えていくことが予想されます
プレホスを経験したい、自分の病院にも導入したいので勉強したい、プレホスを極めたいという
医師、看護師さん
一緒に劇的救命しませんか?
見学・実習 入局 入職 随時募集しております
師走
脾臓破裂+出血性ショックの緊急手術
自家培養表皮
今年1月1日より10月31日までの間で兵庫医科大学救命救急センターに搬送された重症熱傷患者は35件と前年よりも大幅に増えました。今日も広範囲重症熱傷(熱傷面積70%)の患者さんに対する自家培養表皮の植皮術を行いました。10月より熱傷センターが設けられ、救急医や形成外科医、看護師、リハビリ医、リハビリスタッフらがチームとなり患者さんの治療・ケアにあたっています。数年前であれば熱傷面積70%であればまず救命が困難と考えられていましたが、高度な集中治療管理で急性期を乗り切れることができ、採皮部がほとんどなく植皮ができないと考えられていた場合でも患者さん自身の少ない健常皮膚の一部を培養し、それを植皮することで救命率が向上し、社会復帰さえ可能となりうるところまで医療技術は進歩しています。今後は広範囲重症熱傷の自家培養表皮のストラテジーを提唱していくにとどまらず、組織学的・免疫学的な創部と植皮片の生着因子の研究なども行い、重症熱傷患者さんの治療に貢献していきたいと考えています