研修プログラム

救急医を目指すコースと、専門科に入る前に初期診療と全身管理を覚えておきたい短期コースを用意しています。また、既に他科での修練を終了、またはご経験されている先生方にも、短期間で救急医学&集中治療を覚えたい、これからご自分の専門性を生かして救急医療で道を開いて行きたいなど、多種多様なご要望にお答えできるように、個人個人のご希望にあった、いわばテーラーメイドのキャリアコースをご用意致します。我々は、救急医療、集中治療、救急外科(Acute Care Surgery)という価値観を共有できる仲間と巡り会いたいのです。

救急医を目指すコース

これは一般的に言えば「後期研修プログラム」 となります。当科における後期研修の2本または3本柱は以下の3つです。

  1. 救急専門医取得:外傷、重症病態、初期診療、集中治療
  2. サブスペシャリティーの習得:外科、整形外科、小児科、麻酔科、精神科、循環器、消化器、他
  3. 研究と学位取得(オプション)

救急専門医およびサブスペシャリティーの習得

A. 新制度で救急専門医を取得する(2015年以降の卒業の先生)

2018年から始まる後期研修プログラムに則り専門医を取得します。当科では、海外研修によるグローバルなマインドや他大学や企業とのタイアップによる臨床医としての研究マインドの滋養を重視したプログラムを用意しています。

是非、私たちの新しいプログラムを御覧ください。
   

B.旧制度で救急専門医を取得する(2014年以前の卒業の先生)

後期研修期間中の1~3年間は救命救急センター及び連携施設で勤務し、重度外傷や重症救急病態の初期診療と治療、病院前診療(ドクターカーなど)、ICUにおける集中治療を学びます。並行して、BLS(一次救命処置:AHA)、ACLS(二次救命処置:AHA)、ICLS(日本救急医学会)、JPTEC(外傷病院前救護JAAM、JAST)、JATEC(外傷初期診療:JAAM、JAST)、TNT(総合栄養治療法:JSPEN、ASPEN)、DMAT(災害医療評価チーム:政府・兵庫県)などの取得を進めます。
日本救急医学会の専門医を取得するためには医師になって5年以上、そのうち3年の指定施設での専従が原則ですが、この専従の認定には以下のようなオプションがあります。すなわち、1年の救急専従歴に加えて、残りの2年分は勤務施設が救急科専門医指定施設であるか否かを問わず、週に2回を最高としてX回救急医療に関われば、その期間を下記換算方法により兼任期間と認定し、救急勤務歴に加算できることになっています。
(月数)× X/6
よって、救命救急センター勤務を最短にして救急専門医およびサブスペシャリティー、たとえば外科専門医の両方を取得するコースでは、以下のようなキャリアデザインが可能です。なお、外科、麻酔科を例に挙げましたが、他の専門医取得ももちろん可能です。当科のレジデントの中には精神科専門医取得を目指すものもおります。

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救急医が扱う重症病態とは、概ね単一疾患ではなく、様々な専門科にまたがる疾患が複雑に関連しています。これを短時間に理解し、順位を付けて的確な治療計画を立てること、刻々と変化する病態の情報を整理して計画を柔軟に変更していく能力が要求されます。また、一つの専門を深く勉強して理解することは他の専門科を含めた医療全般の構造や仕組みを理解することにもなり、あらゆる科の複合疾患を治療する救急医にとって必ず大きな力になります。逆に、いずれその専門科の専門医として仕事をしてゆく場合でも、救急医療で養った初期診療や全身管理の能力は必ず大いに役に立つことでしょう。その意味で、我々の科では救急専門医取得に加えてサブスペシャリティー(むしろメインスペシャルティーと言ってもいいかもしれません)=他科専門医の取得を奨励しています。
兵庫医科大学内、または関連病院での専門医取得コースとも様々な組み合わせが可能ですので、個人の希望に添えるようにキャリアデザインを致します。特に女性は結婚や出産というイベントもありますので、臨機応変に対応致します(寺嶋真理子先生のページを参照)。

 

研究と学位取得(オプション)

当科では学位取得を目指した研究活動を推奨しています。なぜなら、我々は「医者は科学者であるべきだ」と考えるからです。ガイドライン通りに治療してもうまく行く症例とそうでない症例があります。その理由は、同じ病名でも病態や背景因子は個々に大きく異なるからです。これを解決するためには、少なくともガイドラインを鵜呑みにするのではなく、その推奨に至った科学的証拠を理解し、評価した上で、個々の症例に応じて症例をモディファイし、時には推奨を却下した治療計画を立てなければなりません。このような臨機応変な対応能力、言い換えれば「科学的なものの考え方」を身に付けるためには、一度はサイエンスの世界に浸る、すなわち「研究」を行うことが非常に重要です。当科では研究活動のページで紹介しているように、学内、神戸大学、企業などと共同研究組織を構築し、精力的に基礎・臨床研究を行っており、数々の賞(アメリカ外傷外科学会アワード2003:外国人初、アメリカショック学会トラベルアワード2010、日本腹部救急医学会会長賞2005、日本エンドトキシン研究会エンドトキシン研究会奨励賞2009、など)も受賞しています。大学院に入学する場合は、基本的に4年のうち2年を上述の臨床キャリアに組み込み、残り2年を研究に専念して頂きます。また、小谷教授の海外医師・科学者との太いパイプ(アメリカ、オーストラリア、オーストリア、中国、タイ、カンボジア、など)により、海外留学のキャリアデザインも致します。

 

希望の専門科に進む前に、または既に専門科のご経験がある先生が初期診療と全身管理を覚えたいコース

専門科に入る前に初期診療と全身管理を覚えておきたい、既に他科での修練を終了、またはご経験されている先生が短期間で救急医学&集中治療を覚えたい、これからご自分の専門性を生かして救急医療で道を開いて行きたいなど、多種多様なご要望にお答えできるように、個人個人のご希望にあった、いわばテーラーメイドのキャリアコースをご用意致します。
期間は1年が理想的ですが、もっと短期間や長期間、週に1日、当直だけなど、ご希望、ご事情に合わせたコースを用意致します。内容としては、重度外傷や重症救急病態の初期診療と治療、病院前診療(ドクターカーなど)、ICUにおける集中治療などを学びます。並行して、BLS(一次救命処置:AHA)、ACLS(二次救命処置:AHA)、ICLS(日本救急医学会)、JPTEC(外傷病院前救護JAAM、JAST)、JATEC(外傷初期診療:JAAM、JAST)、TNT(総合栄養治療法:JSPEN、ASPEN)、DMAT(災害医療評価チーム:政府・兵庫県)なども可及的に組み入れます。