スタッフの雑感
Taka at Trauma Center of Robert Wood Johnson Medical School University Hospital:New Jersey便り③
Taka at Trauma Center of Robert Wood Johnson Medical School University Hospital:New Jersey便り②
11月30日に米国はNewJersy州に到着し、RobertWoodJohnson医科大学病院のTrauma Teamで勉強させていただいています。NewJerseyはニューヨークの西側に位置し、NJ transitで40分くらい乗ればニューヨークに行くことができます。天気のいい日はアパートからマンハッタンの摩天楼が見えます。
現在私はTrauma teamで勉強しています。ここはDepartment of ACS(Acute Care Surgery)の組織下にありますが独立している感じです。TTは名のごとく外傷だけを専門に診るチームで私はDr Peckのチームに配属となっています。Dr Peckは先日ジョージ先生がブログにアップしてくれた写真の私の左隣のイケメンDrでACSをマスターし全身管理もできる優秀なDrです。初日から手抜きなしではじまっており、朝は7時~10時のカンファレンスが始まります。外傷の内訳は交通外傷が多く、次に銃創(gun shot wound)といったところでしょうか。気管損傷の縦郭気腫患者や頸椎損傷の少年も入院しています。朝のラウンドではコーヒーを飲んだりドーナツを食べながらレジデントや若手医師(一般外科からの出向)らが受け持ち患者と新規入院患者の現況と治療方針についてプレゼンを行い、それについてDrPeckがsuggestionするといったもので当科の方式と似ています。みんなは私をTAKAと呼んでくれており、朝カンファ中でもDrPECKが「TAKA、君ならワロリーマイスの治療どうする?」と聞いてきたりするので、うかうかできず緊張の連続です。
朝カンファが終わると回診です。ラウンドはチームとリーダーナースとケアマネージャーと一緒に動きます(これは是非当科で取り入れたい!)。まず軽症もしくは落ち着いている病棟の患者さんからです。Tower flowerの9階がTrauma Teamの病棟です。ここではチーム全員が毎日一人ずつ必ず回診します。日本と違うのはここでも片手にコーヒーを持ちラウンドし、病室の前で移動式電子カルテの台の上に置いて病室に入るところがアメリカっぽいです。病棟回診後、処置を行い、昼食後にICUなどの重症患者をラウンドします。16時から17時に終わって、若手はこの後カルテ記載があります。もちろんこの間初療が来ると行かなくていけません。初療室は3部屋あります。初療室は当科の方が数倍広く、少し狭く感じます。医師は診察や処置だけを行い、CT検査などの搬送は他のスタッフが担当します。画像は自ら診た後に画像診断専門の医師に最終チェックをしてもらうのが流れです。処置はDr Peckの指示・指導下で行われるので上級医の負担はかなり大きいかもしれません。僕から見るとスクラムはがっちり組めています。
兵庫医科大学救命救急センターに入局した時にジョージ先生からRWJUHでの生活を聞かされてすごく興味を持ちました。はじめて一緒にRWJUHにいっときにジョージ先生から聞いていたNJでの生活が僕にも全くあてはまっていたのには驚きました。まずは独り言が多くなります。ある程度の会話はできると思っていたのに、みんな遠慮なく普通に話しかけられて答えられないことがあります。(きれいな英文法で英訳しようとしすぎてかえって口から言葉がでない)こんな時は帰ってから独り言が多くなります。また、聞き取れない自分、うまく表現できない自分、伝わらない自分がいるので、帰宅してドアを閉めたら無意識に「クソーッ!」といっている自分もいます。ジョージ先生が言っていたのと同じだと思ってしまいました。しかし、チームのメンバーはTAKAと気軽に呼んでくれ、チームの一員として認知してくれているのは非常に有難いです。ナースやコメディカルスタッフも優しく声かけてくれます。(院内で道が分からず通りがかりの白衣女性スタッフに尋ねて、日本から来たといったらCongraturationといわれました)
この他にもいろいろ気付いたことはありますが、またレポートします。金曜日は家庭医学のDrLin先生が来るまでスーパーまで連れて行ってくれました。生活必需品や水など一人で持ち運べないものを買い込むことができたのですごく助かりました。Lin先生は朝と夕方にLINEできちんとすごせているか?ご飯食べれているか?聞いてくれるので心強いです。
私も留学生に対してはできるだけサポートしてこうと思いました。朝早いのですぐに記録できるかわかりませんがまたレポートしていきたいと思います。最後にジョージ先生と救命救急センタースタッフ全員に感謝いたします。(TAKA)
Taka at Trauma Center of Robert Wood Johnson Medical School University Hospital:New Jersey便り①
当科の上田敬博先生が、かつて私が3年間勤めていたRutgers-Robert Wood Johnson Medical School (RWJMS)University HospitalのDepartment of SurgeryのAcute Care Surgery部門に臨床留学しています。
アメリカからはこのブログにアップできないそうなので、彼からの報告を私が変わってアップいたします。
昨日、上田先生が配属されたTrauma Teamのメンバーの写真が送られてきました。左にいるDr. Peckはかなり優秀だそうです。上田先生はアメリカでの医療を見て日本の医療レベルを評価できているようです。
今後、幾つかのシリーズで上田先生からレポートがあると思いますので、順次アップしてゆきます。
アメリカのような先進国の医療を生で経験することは、今自分のいる位置を客観的に捉えるためにはとても有効です。興味ある先生は御連絡ください。
ところで、兵庫医大の学生とRWJMSの学生はstudent exchange programをもう数年間行ってきましたが、それを担当してくれているfamily medicineのKaren Lin先生が上田先生を買い物に連れて行ってくれているそうです。こういうサポートも助かります。
Dr. Taka Ueda arrived at Rutgers-Robert Wood Johnson Medical School
上田敬博副センター長が、アメリカニュージャージー(NJ)州立Rutgers-Robert Wood Johnson Medical Schoolに到着しました。Trauma center, Department of Acute care surgery, 関連病院のNJ Burn Centerで研修します。NJ Burn Centerは全米一番の症例数です。New BrunswickというNJの中心都市にあり、マンハッタンまで電車で1時間位のところで、しかも物価はNew Yorkの半分以下、衣食住の税金はなし、しかもNew Yorkという大都市とアメリカらしい郊外を両方知ることができる、とてもいいロケーションです。
このRobert Wood Johnson Medical Schoolは、私が3年間勤めた大学病院であり、現在は兵庫医科大学と毎年学生の交換留学をしています。今後は兵庫医科大学救命救急センター&救急・災害医医学講座の医師の臨床留学を進めていきます。
海外で仕事をする機会をもつことは、医師として成長するにはとても役に立ちます。ご興味ある方は是非当科の門を叩いてください。お待ちしております。
主任教授&センター長
小谷穣治
Central Chest Institute of ThailandでECMOの講演をしてきました
バンコクのCentral chest institute of Thailandの循環器内科・カテーテルチーム・CCUチームにお招きいただき、ECMO(人工心肺)の適応と管理方法について講演させてもらいました。Indication and management of ECMOと題し、約1時間にわたりELSOのガイドラインや日本の適応や管理をお話しさせていただきました。その後、ハンズオンセミナーとしてプライミング、カニューレ挿入のテクニックや接続での注意点やトラブルシューティングに対して指導させていただきました。国立循環器呼吸器病センターみたいなところでカテチームは年間2000例のPCIを行なっており、CTOや複雑病変も多く治療されているそうです。ECMOを使えることで更に多くの人が救われることを願います
救命医療学会
第20回阪神ISLS
くまもと
休みを利用して4月の熊本地震の際に活動した避難所だった江南中学校 健軍東小学校 熊本県立第二高校と被害が大きかったため病院避難を決定し多くの入院中の患者さんを他病院に転院するのを手伝わせていただいたくまもと森都病院、南阿蘇村白水庁舎を訪れてきました。 写真はくまもと森都病院の当時の搬送トリアージに遂力されたコアスタッフの副院長と師長さんらです。 当時はDMAT側と病院側の窓口(連携役)を固定し混乱している状況でもなるべく混乱を避けようとチームビルディングをしたように覚えています。 当時の活動終了後、当時のことやその後のことの話ができないこともあり、4ヶ月経って気になっていたので活動した場所を振り返る目的で熊本にいきました。 くまもと森都病院では当時の被害状況や患者さんらへの対応について詳しく聞くことができました。屋上の貯水タンクが壊れて病棟は水浸しになり、壁にいろんなところに亀裂も入り水は使えない状態で、入院患者足の踏み場もないくらいぎっしりと外来待合室の床に並べ集めて管理せざるおえない状況だったとのことです。また、人海戦術で患者さんをおぶって1階まで搬送したり、排せつやおむつ交換ではプライバシー保護のために看護師さんやスタッフが人間カーテンとなってプライバシーを少しでも維持しようとしたこと、などなど今だから聞けることがたくさん聞けました。また、DMATなど災害医療チームが入ったときに介入された医療機関側はDMATが何をしてくれるのか?どうコミュニケーションをとればいいか最初は困惑したことなども聞けました。この点は災害医療の今後の課題だし、 内外で検討し活かしていきたいものです。当時活動していて感じたのは熊本のコミュニティ、繋がりの強さでした。ここの病院もチームワークは抜群でFor PATIENTSが一貫していました。避難所でもリーダーを中心としたネットワークや協力体制が作られていました。マニュアル厳守ばかりではできない大切な人としての原点を熊本ではみることができたように思います