センター長挨拶
「陰徳を積む」マインドを育成、熟成、継承していくこと、これこそが、私たちが私たちであるべく第一義です。
2018年4月に兵庫医科大学救急災害医学講座の主任教授として就任しました。私は同医局に入局し、この家(医局)で、そしてここの家族(医局員)とともに、学び、食し、遊び、時には涙しながら、変遷するここ西宮、近畿、関西、そして日本の救急災害医学とともに成長させてもらいました。
私どもの教室は1973年の講座開設以来、阪神医療圏(7市1町の約190万人)を対象に、救急医療、集中治療、災害医療の3分野で、地域医療機関、行政機関(消防や警察)と強い連携のもと、さまざまな方々に支えて頂きながら発展してまいりました。そして、私どもの教室の位置するここ阪神医療圏は、不幸にも度重なる自然災害や、都市部の外傷の多さ、また、充実した近隣医療施設からの重症患者のご紹介などの医療需要にも支えられてまいりました。それに応えるべく、大学の総合力を結集して臨床、教育、研究のブランド化を推し進めてまいりました。
私どもは「陰徳を積む」というマインドを旗印にスタッフ皆が同方向を向き前進しています。自分の徳を天秤にかけながら進む人生に違和感を感じ、また、誰かに評価されることに違和感を感じ、しかしながら、自らの天命に宿った使命感を達成したい渇望が湧き上がり、居てもたってもいられない、そんな誇りを持った医師たちが集った“最後の砦”です。
当センターで研修、教育を受けた医師が地域の救急医療を担う時、このマインドを誇りとし、救急医療を通して社会貢献できる医師教育を発信していくことことが、私たちが私たちであるべく第一義です。