41st Critical Care Congress&UMDNJ-RWJMS訪問報告
<SCCM-41st Critical Care Congress>
2月4-8日に、Houston, Texas, USA eorge R. Brown convention centerで行われたSociety of Critical Care Medicineのannual meeting、41st Critical Care Congressに行ってきました。
今回の発表は、卒後3年目の岩野仁香先生です。今回の発表のタイトルは、”The possible use of initial serum BNP levels for dose adjustment of Carperitide”です。Carperitide というのはhuman atrial natriuretic peptide、すなわちハンプですね。この使用濃度の決定に血中のBNP濃度を使おうっていう趣旨です。ここでは難しい話はやめといて、岩野先生の発表の様子をご紹介しましょう。
う〜ん、さすがです。彼女はドイツ生まれというバックグラウンドがあるためか、英語がとても上手です。それでも日本育ちですから、ものすごく勉強したのでしょうね。
まず最初の質問は
「その流暢な英語はどこで勉強したの?」
「日本です」
「日本で!?信じられないわ。」
ってな感じでした。
それからいろいろ質問がありましたが、何なく答えて、終了です。
いつもは私がへたな英語でヘルプに入るのですが、今回は眺めているだけで、動画撮影する余裕がありました。
「あなた、その下手な英語はどこで習ったの?」
「アメリカです。」
「信じられないわ!?」
なんていう会話をしなくて済んでよかった…
岩野仁香先生と私。
一緒に参加してくれた研修医の飯田康先生も英語がnative speakerくらいに堪能です。集中治療医を目指しています。
さて、その日の夜は、毎年のCritical Care Congressで恒例となりつつあるアメリカ&カナダに集中治療医として臨床留学しているかしていた日本人医師の食事&飲み会です。今回はメキシコ料理のお店に集合です。
別ブログでも書きますが、Dr. IwanoはUSMLEに合格しECFMGcertificateを得て、アメリカのいくつかの病院の臨床研修プログラムにアプライ中でした。しかし、外国人の門戸は狭く、果たして採用してくれる病院があるのか気をもんでおりましたが、アメリカ&カナダ組の先輩方に励まされ、元気が出たことでしょう。
食事会の集合写真です。
<Total Nutrition Therapy for Critical Careコース参加>
この学会に付随して、アボット社が新たに作成したTotal Nutrition Therapy for Critical Careプログラムの第1回目のコースに、岡山大学の氏家良人先生、日本大学の木下浩作先生とともに参加してきました。日本だけでなく、南米の国々、台湾などのこの領域のエキスパートが参加し、このプログラムを各国に導入するにあたって、各国の事情に照らして問題点を洗い出すことも目的の一つでした。講師はDr. Refaat HegaziとDr. Paul Wishmeyerのお二人です。Wishmeyer先生とは以前にも学会のパーティーで飲みかわしたことがありますが、相変わらずエネルギッシュで、ものすごいキン肉マンです。サプリメントに凝ってるそうです。
全体討議の様子。
Refaat Hegazi先生(左)とPaul Wishmeyer先生(右)から修了書をいただきました。
左から日本大学の木下浩作先生、岡山大学の氏家良人先生、Refaat Hegazi先生、Paul Wishmeyer先生、そして私です。
<Department of Surgery, University of Medicine and Dentistry of New Jersey – Robert Wood Johnson Medical School>
この学会の前に、私の古巣のニュージャージー州立医科歯科大学-ロバート・ウッド・ジョンソン医科大学の外科に行ってきました。実は、我々のボスであるLowry先生が昨年急逝されて、NIHグラントや製薬会社との共同研究の研究費などの動きが変わり、今後の共同研究や日本からの留学生の受け入れをどうするかなどの協議をするために行ってきました。その様子は一つ前のブログにのせてあるので見てください。マンハッタンに近くて自然がいっぱいでいいところです。この大学は州立で、複数の医学部があるのですが、そのうちの一つであるこの医学部の附属病院を買い取ったのが、200mほど離れたところにある株式会社Johnson & Johnsonのオーナーの一人、Robert Wood Johnsonさんなのです。おかげで手術室の意図はエチコンばっかりでした。
医学部と病院の間のスペースがガラス張りの高い天井と壁で囲まれたAtriumになっています。ここではちょっとしたパーティーや講演会など、いろんなセレモニーを行います。
Atriumから見たMedical Education Building、通称MEB。ここを入ると大学内警察官がいて拳銃を持って警護してくれています(ちなみにNew Brunswickには、NJ州警察、New Brunswick警察、そして大学警察の3つの警察組織があります)。MEBの一階は図書館、1−2階に講義室、3階以上に各科の医局、最上階は動物実験施設、さらに上は屋上です。
私は、動物実験施設に入る鍵を持っている数名の一人でしたので、屋上へはフリーアクセスでした。うれしいとき、落ち込んだとき、どんなときにもよく屋上に行きました。そしたら、数少ない鍵を持つもう一人の男、病院長で外科チェアーマンで私のボス、Stephen F. Lowry先生によく会いました。偉い先生と二人っきりではなせる時間をしょっちゅう持てたことはとても幸運でした。そして、二人ともsmokerだったので(Lowry先生は最期までsmokerでした)、街を見下ろしながら、天気のいい日には遠くのマンハッタンのビル群を眺めながら二人でぷかぷかしたのもいい思い出です。
MEB内の講義室。ここでは、毎週モーニングレクチャーがあり、Lowry先生や他の先生方の人脈のおかげで、世界の高名な科学者がぶらっとやって来て講義をしてくれます。Kevin J. Tracy先生はLowry先生がマンハッタンのCornel Medical Centerにいたときの同僚(後輩)で、すばらしい講義をしてくださいました。それにとても男前です。
これはMEB一階の奥にある自動販売機。コークやペプシに加えていろんなスナックやパンも売っていて、仕事が真夜中になったときによくここで飲み食いしてました。
私たちの研究室の名前は”Surgical Sciences”。サイエンスに複数形の”s”をつけるところがみそです。真ん中が僕の二番目のボス、Steve E. Calvano先生。PhDです。とても厳しく、暖かく、面倒見がいい先生で、Lowry先生とは若いときからずっとタッグを組んで仕事をしてきました。右端がSiobahn Corbett先生、外科の助教授です。ものすごく優秀なのですが、真剣に考える厳しい顔つきが美しいのです。それでいて子だくさん。旦那さんは医療とは無関係な方です。優秀な外科医、優秀な研究者、優秀な母、優秀な妻、といった感じで、かっこよいです。Calvano先生がLowry先生の奥さんであるSusette Coyle, RNとともに臨床系の侵襲学の研究をまとめ、SiobahnがPhDのRamseyと一緒に分子生物学分野からみた侵襲学研究をまとめています。
<昔住んでたアパート訪問>
大学から歩いて10分ほどのところに私の住んでいたアパート“River Watch Commons”があります。この敷地内にある有名なレストランがFrog and Peachです。アメリカ時代はお金がなくて行けませんでしたが、NYナンバーの車がたくさん来ていて、マンハッタンのビジネスマンがターンパイクを飛ばして来ているのでしょう。
Frog and Peach
http://www.frogandpeach.com/default.aspx
私の住んでいたアパートです。すっきりしていていいところでした。
<マンハッタン>
今回の宿泊地のマンハッタンからニュージャージーの私のいた大学病院まで行く電車はNJ Transitという電車会社で、アメリカ全土を走るアムトラックの一部です。マンハッタンでの出発駅はGrand Central駅と並ぶPenn Station。地下にはいろんなお店があります。しかし、大阪や東京の地下街と比べたらめっちゃしょぼいですよ。
Penn Stationの地下の様子
Penn stationの地下のお店
Penn stationの地下:ただの通路にお店が出てますっていう感じです。大阪の地下街に慣れていると、しょぼく見えますね。
じゃ、また、ブログでお会いしましょう。