タイ集中治療医学会報告

タイのチェンマイで開催されたThai Society of Critical Care Medicine(TSCCMタイ集中治療医学会)で講演してきました。日本集中治療医学会のSepsis Registry委員会(平澤博之委員長)で2007年10月〜12月に全国の47施設で行われた重症敗血症と敗血症性ショックの患者の調査結果の報告です。私の発表したデータは委員会のブレインである松田直之先生(名古屋大学救急・集中治療医学講座)がデータ入力シートを作成し、データを解析して、2009年の日本集中治療医学会で発表されたものを英語に直して発表させて頂きました。前回の日本集中治療医学会会長の多田恵一先生の奥様がタイの方で、今後同じアジアの国として学術的な協力関係を強めて行こうということで、今回は私、森松博史先生(岡山大学麻酔科)、多田恵一先生(広島市民病院麻酔科)の3名の日本人が招かれています。 この学会には医師のみならず多くのコメディカルの人たちも参加していて、熱気にあふれていました。学会のテーマが”All about Sepsis”というだけあって、テーマのすべてが非常に興味深く、また、討論の内容のレベルが高く、どのセッションに参加しても勉強になりました。タイの医学と医療のレベルはこんなに高いとは思っていなかったので、かなり驚きです。東南アジアでは一番の先進国で、政治も経済も安定しているので当然といえば当然なんでしょうけど。 タイのドクターは、いつもドクター+ファーストネームで呼ばれます。ずっと疑問に思っていたのですが、今日チェンマイ大学の若い外科医と飲みに行ったときに教えてもらいました。彼らのラストネームは、先祖代々をたどって王様の名前になっているので、同じラストネームのひとがいっぱい居るそうで、だから、いつもはファーストネームで呼ぶそうです。なるほど! 昨年チェンマイ大学の外科の先生達が日本に来た時に、私はレクチャーをしたのですが、その晩一緒に御飯食べたときに、僕と一緒にギターを弾いて歌を歌ったDr. bandhuphat chakrabandhuにチェンマイのライブハウスに連れて行ってもらいました。Riversideという川沿いにある昔からあるライブハウスです。約30−40分ごとにバンドが入れ替わります。音楽は基本的にワイルドワイドなポップスをアレンジしていますが、演奏レベルはとても高かったです。特にバンドの名前はわからないけど、昔から出ているというバンドのギターの腕は凄かった。それから女性ボーカリストの声量、リズムもまた凄い。タイの文化の成熟度の高さに驚かされました。 さて、私はこのあといよいよカンボジア軍に合流し、JPRとともにカンボジアの医療システムを立ち上げる準備に入ります。また別ページでご報告します。