自家培養表皮

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今年1月1日より10月31日までの間で兵庫医科大学救命救急センターに搬送された重症熱傷患者は35件と前年よりも大幅に増えました。今日も広範囲重症熱傷(熱傷面積70%)の患者さんに対する自家培養表皮の植皮術を行いました。10月より熱傷センターが設けられ、救急医や形成外科医、看護師、リハビリ医、リハビリスタッフらがチームとなり患者さんの治療・ケアにあたっています。数年前であれば熱傷面積70%であればまず救命が困難と考えられていましたが、高度な集中治療管理で急性期を乗り切れることができ、採皮部がほとんどなく植皮ができないと考えられていた場合でも患者さん自身の少ない健常皮膚の一部を培養し、それを植皮することで救命率が向上し、社会復帰さえ可能となりうるところまで医療技術は進歩しています。今後は広範囲重症熱傷の自家培養表皮のストラテジーを提唱していくにとどまらず、組織学的・免疫学的な創部と植皮片の生着因子の研究なども行い、重症熱傷患者さんの治療に貢献していきたいと考えています