SSCG&SCCM報告 後半

<報告7>橋本篤徳助教のご発表:ポスター会場

 

ポスター会場は、サンディエゴコンベンションセンター2階の巨大なホールで行われました。ポスター番号は1025もありますから、これと同じ数のプレゼンテーションがあるとうことですね。一人約3分で話をします。半分以上がアメリカからの演題で、国外勢ではシンガポールなど英語圏の国が多く、彼らは英語のプレゼンテーションには何のストレスもなさそうです。当科の発表者の橋本篤徳先生は日頃から英語が大嫌いと公言しており、外国では出歩く事無くホテルに引きこもる事で有名です。どうなる事かと気をもんでいたら、なんと原稿なしでペラペラと説明し出し、質問には鞄から用意していた写真を取り出して追加説明するという丁寧ぶり!(写真)なんや、しゃべれるやん!実は子供の時から英会話を無理矢理習わされて以来強烈なアレルギー反応を示しているだけのことらしい。今度からは一人で行ってもらおう!

発表前夜の打ち合わせ:しかめっ面の橋本先生とすっかりお気楽なジョージ先生 

発表前夜の打ち合わせ:すっかりご機嫌の布施先生とジョージ先生と頭を抱える橋本先生 

ポスター会場の様子

橋本先生、英語で語る!

発表後に個別質問に答える橋本先生(右端)。 

ポスター前で記念撮影。

 

<報告8>サンディエゴ・メディカルセンター見学

 

昨年のAcute Care Surgery研究会に講演に来られたサンディエゴ・メディカルセンターの外傷外科のRaul Coimbra教授がセンター内の見学ツアーを組んで下さいました。案内役は女性の外傷外科医Jeanne Lee先生です。

US San Diego Medical Centerのエントランス. 日差しが明るい!

UCSD Medical Centerの入り口の看板。

 案内役の外傷外科医Jeanne Lee先生。

ERはICUのすぐ横にあり、急変してもICUに連れて行けるとおっしゃっていましたが、ここでは開胸や開腹ができず、必要な場合は手術室に運ぶそうです。意外に日本よりも動線が悪そうです。でも、レントゲン装置がついてて、これは便利ですね。

UCSD Medical CenterのER

熱傷センターやICU、手術室等を見学させて頂きました。手術予定は廊下にぶら下がったホワイトボードにマジックで書き込んでいます。結構アナログなんですね。でも、やっぱりこれが楽ちんでわかりやすいですね。

手術室の壁にぶら下がったホワイトボードにマジックで手術予定を書き込んでいる。結構アナログ。

 小児の熱傷センターでは、処置をするのは処置部屋だけ、病室では絶対に痛い思いをさせないようにして、病室は安全で心休まるところであると安心させることを徹底しているようです。また、子供の心のケアーをする専属のとても明るい女性スタッフもいました。

 

 小児用熱傷処置室のダクト

そしてシミュレーション室。アメリカといえども、外傷症例は少なく、研修医がローテーション中に重度の外傷に遭遇しない事もよくあるとか。そこで、この人形です。最近日本で見かける人形もよく出来ていますが、これは凄かった。声を出したり、感謝したりは当たり前ですが、皮膚の色、指のチアノーゼなども再現し、数々のケース(ストーリー)がマック上(やっぱりマックがいいね!)で動くソフトで選択したりモディファイしたり出来て、これなら本物の症例を相手に治療している臨床感が出そうです。

 

そして、ツアーの後に、2週間に一度のMortality& Morbidity Conferenceに参加させて頂きました。症例は4例で1症例30分。中堅の強面のドクター(うちで言えば、熱血漢の山田太平先生のような感じ)が、症例を提示して、ステップごとに研修医に問いかけて答えを誘導するという方式。頸に横方向からピストルで撃たれた若い女性の症例で、来院時のvitalはstable。弾は右の頚部から入って左の鎖骨あたりにあります。レントゲン写真を提示しながら「次にする事は?」という怖い先輩の問いかけに、若い研修医達の声もだんだん小さくなって行きます。そうするとCoimbra教授が、”Hey, John, Speak Up!!”と活を入れて行きます。そうすると、なんとうちの研修医の岩野仁香先生が、”ガストログラフィン”と言います。”Bingo!”との声がスタッフから漏れました。レントゲン写真をよくよく見ると、弾の回りにair像がぽつぽつとあります。これが消化管、この場合は食道を損傷している重要なサインだとか。僕も知りませんでした。さすがサンディエゴで研修していた岩野先生!かっこ良かった!

 

 M & M Conferenceの様子。

  最後に記念撮影。

 

<読んで下さった皆さんへ>

今回もとても充実したSCCMでした。我々は臨床だけじゃなくて、研究レベルも世界標準でやって、世界の舞台で活躍する医師を応援しています。興味のある方はいつでも遊びに来て下さい。

 

ジョージ先生でした。